ここ何年もの間、二日酔い以外で寝込むということを経験しなかった筆者。
いわゆる「〇〇は風邪をひかない」ということわざを体現しながら太々しく生きてきたのですが、今年に入ってしばらくしてからいきなり体調を崩しました。
世間ではインフルエンザが猛威をふるっていた時期だったこともあり、「この感じ…間違いねえ、インフルだぜ」と確信しつつ病院へ行ったものの、診断結果はまさかのインフルでもコロナでもなく、ただの風邪でした。
が、連日39度近い高熱が出て、口にできるのはうどんとお粥とポカリのみ。布団に潜り込んでいるのにガタガタと震え、天井がぐるぐると回って見える状態のなか、「これでインフルじゃないとか、逆になんなん!?」と無性に腹が立ったことを覚えています。
我が家では「鬼の霍乱(かくらん)」と呼ばれたこの風邪事件ですが、この「オーナーが弱っているときに愛ブヒは一体どんな態度を取るのか」という常々疑問に感じていたことの答え合わせができる…! そう思い、高熱で朦朧としていながらも実のところ少しほくそ笑んでもいました。
というのも、本サイトに掲載されているChikaさんのエッセイ「飼い主が落ち込んだとき“そばにいてくれる”子が羨ましい。うちの子は…」がとても印象深かったから。
Chikaさんの愛ブヒたちはオーナーさんの性格を見抜いてそれぞれの「らしさ」を貫いていたけれど、果たしてうちの楽太郎はどうだろう。やっぱ心配して寄り添ってくれたりするのかな、いやしてくれ、むしろすべきだろっ! と祈りつつ寝込んでいたのです。
では、その結果をお伝えします。
さて、結果は…
一応、寄り添ってくれてはいました。ただし、精神的にとかではなく物理的に、です。楽太郎にとって毛布を重ねたベッドで寝込む私は「寒い季節にちょうどよい湯たんぽ代わり」であったらしく、寒い外の散歩から帰ってきてはヘラヘラしながら暖をとりにやってきました。これを人間に例えるなら、ランドセルを玄関に放り投げて遊びに行き、お腹が空いたら帰宅する小学2年生男子、みたいな感じでしょうか。

普段楽太郎の散歩やご飯はそれぞれ朝晩の計2回。いつもは在宅で仕事する私が担っているものの、鬼(筆者)が寝込んだためそれらは夫が代わることになり、別に鬼がいなくともご飯も食べられれば散歩にも行けた楽太郎にとって、夫の不在時にちょうどよく布団を温めていた私が格好の昼寝場所になっていたようです。
もし楽太郎がSNSをやっていたら、きっとこう投稿していたはず。「#最高の昼寝場所確保#集まれ寒がりブヒ #弱っているから怒られない」。
それでも心配そうな素振りで部屋に入ってきてそっとベッドに潜りこんでくるのであれば、いや、そうであってくれたならば、私は鼻高々で「うちの子は飼い主の様子をちゃんと理解して慰めてくれるんですよぅ」とここに書けていたはずなのに。
現実は大幅に予想(というか希望)とは異なりました。
散歩から帰宅した楽太郎はドドドッと爆走しながら筆者の寝室に駆け込み、勢いそのままにベッドに飛び乗り、あろうことか筆者の頭と顔を踏みつけながら(なお楽太郎は10kg)布団の中に潜り込み、自分にとって最適なポジションを確保すべく枕とベッドの中央を陣取るのです。
「そこは遠慮せえよ」
熱に浮かされつつもこの時はさすがに声に出してつっこみました。
ただ楽太郎はそんなことは一顧だにもせず、ベスポジを確保するやいなやいびきをかいて寝始め、あろうことか寝っ屁までプスー、プスー、と複数回かましながら心地よさそうに眠っているではないですか。

「しんどい、寒い、おまけに臭い」そう思いながら自分の寝床でギリギリまで壁に追いやられ細くなり眠る筆者。もし前世があるのなら、私は相当に非人道的な振る舞いをしたのかもしれなくて、その報いが今…そんなことを妄想する程度には、自分の寝床に居ながらにして迫害されておりました。
そして夕方、夫が帰宅した音を聞きつけるとガバッ!と飛び起きて再びドドドッと部屋を去る楽太郎。その時、蹴り出した後ろ足が筆者の後頭部を直撃していたことに彼は気づいてもいないでしょう。
なお、筆者はSNSでこの風邪に触れたときに楽太郎について「お利口にしていてくれてありがとう」と書いたけれど、これが真実です。少なくとも、寄り添って(寝て)くれてはいましたから。(ただし、筆者を踏みつけながら)
Chikaさんが考察した「我が子たちはオーナーの性格や本質を見抜いている」説は、我が家にも有効でした。少なくとも楽太郎は私に対し、「この程度の弱り具合なら大丈夫、復活は近い」と本能的にわかっていたのかもしれません。いやむしろ、そうでなければ頭や顔を踏まれ、寝床の真ん中を奪われたことに対して納得できませんから。
風邪で寝込む筆者をそこそこ雑に扱った楽太郎だけど、実のところ少し安心しています。もし弱っている筆者を見て同じように元気を失くすような繊細さがあったなら、きっと毎日を生きるうえで空気を読みすぎて疲れてしまうこともあるでしょう。繊細さは美徳でもあるけれど、ウィークポイントになることもある。どんな時も自分らしくマイウェイをドドドッと駆け出すタイプの方が、我が家にあっているんじゃないかな。って今、「負け惜しみやろ」言うたん誰や?

…とまあそんな感じで、酷い風邪と引き換えに我が子の性格をより深く知ることができたと前向きに捉えています。なお、この記事を書いている瞬間、偶然にもChikaさんが風邪で寝込んでいるとSNSで発信されていて、そこには彼女の相棒ブヒの画像が添えられていました。果たしてChikaさんちの坊やはどんなふうに風邪っぴきのオーナーに接するのだろうか、それがとても気になりつつ、回復されたらご本人に聞いてみようと思っています。
ここ数日は小春日和からの雪予報など気温が大きく変化する日々が続いていますが、皆様もどうか風邪には気をつけつつ、うっかりひいてしまったあかつきには、我が子がどんな態度で接するのかを観察してみてくださいね。
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