みなさんの愛しきフレンチブルドッグは、あなたが悲しんだり泣いているとき、どのような反応をしてくれるだろうか。
よくSNSで見かけるのが、飼い主のもとにそっと寄り添い、励ましている犬たちの姿。
「犬はみんなそうなんだ!」と思い込んでいたのだが、我が家の場合は違うようでーー。
フレンチブルドッグ3頭と暮らしたけど…

我が家はフレンチブルドッグ3頭と暮らした経験がある。
初代フレンチブルドッグ・ジュブ(2021年にお空へ)、そして今暮らしているのがエレブ(15歳)とベビブ(9歳)だ。
全員男の子で、性格もバラバラ。
これだけ個性が強いのだから、「何か起きたときの反応」はまったく違う。
ただ、ひとつだけ共通していることがある。
それは、飼い主が悲しんだり悩んでいても、完全にスルーするということだ。
SNSでよくある「泣いたふり」をしてみた。が…

よくSNSで、飼い主が泣いたふりをすると、犬たちが励ましにくる動画を見かける。
たとえば、ペットメディア「PECO」さんが公開しているこの動画。
実に感動的だ。
しかし犬は人の感情に敏感だから、関心しつつも「それはそうでしょ!」と思ったのも正直なところ。
「では、うちの子はどんなふうに励ましてくれるのだろう」
ある日突然気になり、ワクワクしながら思いっきり泣いたふりをしてみることにした。
すると…
エレブ(次男15歳)は遠くから引き気味で私を見つめ、ベビブ(三男9歳)は「遊ぼうぜ!」と激しく近寄ってきた。
何か楽しいことが始まると思ったらしい。
ジュブ(長男)に至っては、耳をピクッと動かして完全にスルー。
起き上がったと思ったらチンスリをはじめ、完全に煽ってきたのだった。
…聞いていた話しと違う。
いったいどんな教育をしたら、こんな子に育つのだろうか。
フレンチブルドッグはみんなそうである!と思いたかったけど…

きっと、フレンチブルドッグに限ってはみんなそうなんだと都合よく解釈することにした(これを保身という)。
しかしある日SNSで流れてきた動画を見て、愕然とすることになる。
フレンチブルドッグも、ちゃんと飼い主を慰めているではないか…。
嘘泣きがバレたのでは? と優しい人は言ってくれるかもしれない。
でもその動画で見た飼い主も、同じように「嘘泣き」をしていた。
こうなると、なにも言い訳ができない。
本当に悲しいとき、泣いたときはどうしてくれるのか

こういう時人間は、都合のいい解釈をしたくなる。
きっとうちの子は他の子より「嘘」に敏感で、気づいていたからスルーしたんだと。
そう片付けて(自分を慰めて)、この一連の出来事はなかったことにした。
まぁ本当に悲しくて泣いたとき、そんな瞬間を待ってみようと。
まずい…16年間泣いていない…

しかし、である。
フレンチブルドッグと暮らして16年、ほぼ泣いていないことに気づいてしまったのだ…。
もちろんこの数年間で大切な人や愛犬が旅立った時は、とてつもなく泣いた。
でもそれ以外で辛いことがあっても「そういうこともあるっしょ」と、悩むことはほぼなかった。
反省はするけど、後悔はしない。
全て意味があると捉え、前だけを向いて生きていく。
小さい頃から「悔しさと悲しさは笑いに変えろ」をコンセプトにしてきたので、イヤなことを言われても「ネタができたぜ」とか「この人は幸せじゃないんだ…気の毒」くらいにしか思ってこなかった。
フレンチブルドッグは、何倍も上手(うわて)である

そしてわかったことがある。
そんな能天気な自分の性格を、愛犬たちに見抜かれていたのだと。
だからきっと「あいつは勝手に元気になる」と、放っておかれたのかもしれない。
いつも思うが、フレンチブルドッグは人間の何倍も上手(うわて)だ。
嘘泣きを試したり、悩んだときにどうしてくれるか…そう考えていた自分がキッズすぎた。
いい年して何をしているんだ。
……いやいやいや…やっぱり待ってくれ。
それでも悲しい瞬間はあるのだから、せめてちょっとくらいは慰めにきてほしい。
ハッキリ言って、飼い主を慰める犬が最高にうらやましい。
「大丈夫?」ってそばにきてほしい。
顔を優しくペロッと舐めてほしい。
…我が家のフレンチブルドッグたちよ。
嘘でもいいから、チンスリしたり遊びに誘うのはやめて、「慰めているフリ」だけでもしてくれないかい?
まぁ実は、いつもと変わらず接してくれることに、一番励まされたり笑わせてもらってるんだけど…。
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