ボクシングの世界王者として、極限の世界で闘い続けてきた京口紘人さん。
その隣には、インフルエンサーとして発信を続ける妻・あきまっくす(若林亜希)さん、そして保護犬のフレンチブルドッグ「白鵬(はくほう)」がいる。
彼らの暮らしは、ただの“愛犬との日常”にとどまらない。
出会いのきっかけはコロナ禍のClubhouse、交際わずか2週間で始まった二人の関係、そして“保護犬を迎える”という選択。
現役引退後のいま、夫婦が語るのは「守る強さ」と「寄り添う時間」について。
「FRENCH BULLDOG THE REAL(フレブルザリアル)」は、フレンチブルドッグの白鵬と暮らす京口夫妻のリアルライフに迫った。
コロナ禍、Clubhouseで“偶然の出会い”

――まずは、おふたりの出会いについて教えてください。
あきまっくす:
コロナ禍のときに、Clubhouse(クラブハウス)という音声SNSで出会いました。「ルーム」というグループみたいなものを作ることができて、その人たちの会話を聞いたり、会話に参加することができたんですよ。
そしたら知人がヒロトくんと話してて「京口紘人選手や!」ってそのルームに参加したんです(笑)。
京口紘人:
僕は当時、自分のルームを立てて友人と話してたんですよね。そしたらAkiちゃんがたまたま入ってきて。
Akiちゃんは当時から “あきまっくす” という名前で活動してて、僕も知ってたんです。
「あ! あきまっくすや!」って(笑)。
あきまっくす:
それで共通の友人を含めた3人で話したのが、出会いのきっかけですね。
そこからインスタグラムでつながって。
京口紘人:
「一度3人でご飯行こうよ」って話してたんですけど、コロナ禍だったので、なかなか実現できなくて。
ようやく緊急事態宣言が明けたタイミングで「行こか」ってなったのが、出会ってから約1年後でしたね。
――実際にお会いするのは、そのときが初めてだったのでしょうか。
京口紘人:
そうですね。SNSでは繋がってましたけど、リアルで会ったのは初めてです。
お互いに「あ、ご本人や」みたいな(笑)。
あきまっくす:
実際に会うまではインスタのDMとか、ストーリーにリアクションしたりしてて。
ほんの軽いやり取りやったんですけど、少しずつ距離は縮まってたと思います。
京口紘人:
今どきっぽいですよね(笑)。
お互い「いいね」とかのリアクションで、なんとなく気持ちを伝えてる感じでした。
出会って2週間で交際、1年後にプロポーズ

――メッセージのやり取りだけでもフィーリングが合うかどうかってわかりますよね。
あきまっくす:
そうなんですよ! なので、初めて会ってから2週間後に付き合いました(笑)。
なんかもう、お互い惹かれ合ってるのは分かってた感じで。
京口紘人:
DNAレベルで“あり得るかも”みたいな(笑)。
初めて会ったときに「素敵やな」って思いましたし、Akiちゃんもそう思ってくれてたみたいで。嬉しいですよね。
あきまっくす:
出会ってすぐに付き合って、1年後にプロポーズ。その1ヶ月後に入籍しました。
京口紘人:
スピード感、ありましたね(笑)。
結婚して半年後に引っ越しもして。落ち着いたころに、「そろそろ家族を迎えたいね」という話になったんです。
「迎えるなら、保護犬・保護猫から」

――白鵬ちゃんを迎えることになったきっかけを教えてください。
あきまっくす:
もともと家族を迎えるなら保護施設から、って二人で話してたんです。ペットショップじゃなくて、保護犬や保護猫にしようって。
京口紘人:
僕の知人が千葉県の流山市で保護施設をやっていて。
結婚と同時に「家族をお迎えしたい」と相談したら、「もちろん紹介するよ」と言ってくれて。
その施設のSNSで出会ったのが、フレンチブルドッグの白鵬(はくほう)です。
――お迎えするなら「フレンチブルドッグ」というのは決めていたんでしょうか。
あきまっくす:
最初は特に決めていなくって。保護犬でも保護猫でも、家族になってくれる子がいたら嬉しいなぁと思っていました。
私は、ヒロトくんが迎えたい子ならそれでいいという感じでした。
京口紘人:
僕も犬、猫どちらも好きなんですけど、昔からフレンチブルドッグが大好きで。
SNSとかで見てて、なんか惹かれる犬種だったんですよね。
だから里親募集のSNSでフレンチブルドッグ(白鵬)を見た瞬間、「この子や!」って思いました。
あきまっくす:
私はそのとき家族と旅行中で、ヒロトくんから「この子カワイイんやけど、どうかな?」って写真が送られてきたんです。
見た瞬間、「めっちゃかわいい!」って。
顔が四角くて、写真だけでも愛嬌が伝わって、一瞬で心をつかまれましたね。
――「白鵬」というお名前も愛らしいですよね。
京口紘人:
「白鵬」という名前は、施設にいた頃に付いていた名前なんですよ。女の子やけどなぁと思いつつ(笑)、施設のスタッフさんにも白鵬と呼ばれていたので、名前はそのままにしようと二人で決めました。
あきまっくす:
私は「めっちゃいいやん!」って即答しました(笑)。
流山の保護施設で─フレンチブルドッグ白鵬との初対面

――保護施設まではお二人でお迎えに行かれたのでしょうか。
京口紘人:
そうですね。里親審査というのがあって、収入や住居環境を確認する日でもあったので、Akiちゃんと一緒に行きました。
そのときの様子は僕のYouTubeにも残ってますけど、初対面の映像は今見ても感動しますね。
(記事の最後でYouTubeをご紹介しています)
あきまっくす:
施設では、男の子と女の子のスペースが分かれていたんですけど、なぜか白鵬は男の子側にいたんですよ(笑)。
「距離感が近すぎて、男の子エリアに入れてます」って言われて。
他のわんちゃんに突進しちゃうタイプだったみたいです。
京口紘人:
興味が強くて、“ゼロ距離”で近づくタイプ(笑)。今思えば”フレブルあるある”ですよね。
でもまったく攻撃的ではないし、とにかくフレンドリー。ほんまにかわいかったです。
感情が少しずつ“咲いた”5歳の保護犬

――お迎えした当初、白鵬ちゃんはどんな様子だったでしょうか。
あきまっくす:
推定5歳でお迎えしたんですけど、最初はほとんど感情を出さない子でした。
攻撃的でもなく、怖がるでもなく、ただただ静か。
でもごはんだけは一生懸命食べてくれてました。
京口紘人:
最初は喜びの表現もなかったですし、褒めても反応しなかったんです。
でもAkiちゃんと二人で「いい子だね!」って声をかけ続けていくうちに、少しずつ変わってきました。
あきまっくす:
毎日「愛してるよ」「来てくれてありがとう」って言葉で伝えていました。
最初はトイレを失敗することもありましたけど、サッと拭いて「まぁいっか」って。白鵬が過去にどんな生活をおくってきたかは分からないですけど、過去じゃなくて“これから”を見てほしかったんです。
京口紘人:
白鵬が来てから二年くらい経ちますけど、特にこの一年で本当に表情が変わりましたね。今は感情豊かで、嬉しいときは全身で表現してくれますし、日々家族の絆が深まっているのを実感しています。
あきまっくす:
この一年くらいでようやく「ここが自分の家だ」って分かってきてくれた感じです。やっぱり感情を出してくれるのは嬉しいですよね…。
食事の大切さ。涙やけや指間炎も緩和

――食事や健康で意識されていることはありますか。
京口紘人:
フードは2〜3回切り替えて、ようやく合うものに落ち着きました。
お迎えした当初は涙やけがひどくて、目の下が真っ黒やったんです。

あきまっくす:
もともと指間炎もあって、指の間が赤く腫れたり血が出たりしていたんです。
でも、食事を見直してからほとんど再発してないですね。
一年経って、本当に健康的になりました。
京口紘人:
トッピングも大事にしてて、炊いた野菜やささみを混ぜたり、果物は梨が好物です。食べるときの顔がまた最高なんですよ(笑)。
食べものの力って、ほんまにすごいですよね。
「白鵬中心」で組み立てる生活リズム

――プロボクサーとインフルエンサーのご夫婦という珍しいご職業ですが、どのような生活スタイルなのでしょうか。
あきまっくす:
私は基本的に家で仕事をしているので、ほとんど一緒にいますね。
外でのお仕事があるときでも、お留守番はできるだけ短くなるようにしています。
保護施設のスタッフさんから「お留守番は最大6時間まで」と言われていたので、今もそれを守っています。
京口紘人:
僕も現役時代から練習と試合以外は、家で一緒に過ごしていました。休日は家族みんなで出かけたりして。
引退してからはさらに一緒にいる時間が増えて、いまは“白鵬中心”の生活ですね。
あきまっくす:
散歩も白鵬の気分次第(笑)。
京口紘人:
ほんまやなぁ(笑)。
あきまっくす:
行きたい道と行きたくない道があって、嫌なときは歩かないんですよ。
バギーを買う前は抱っこをしてたんですけど、10kgあるので長時間はちょっと大変で(笑)。
京口紘人:
バギーはまだ早いかなぁと思ってましたけど、ついに買っちゃいましたね。
これ(バギー)がきてからお互い快適で、取り入れて大正解でした!
今はもう、自分の足よりバギーのほうが好きみたいですよ(笑)。
最後の世界戦──“感じ取って寄り添う”ということ

――白鵬ちゃんが支えになった瞬間はありますか。
京口紘人:
引退前、最後の世界戦の前夜。減量で10kg落として、一番しんどかったときは救われましたね。
その日の夜、スッと僕の足元に来て、膝の上に乗ったんですよ。いつも膝の上に乗るときは必ずAkiちゃんの方なんです。
あきまっくす:
ヒロトくんの太ももが硬いからか、ふだんはヒロトくんの膝の上に乗らないんですよ。
京口紘人:
きっと、何か感じ取ってくれてたんでしょうね。あの瞬間は心がふっと軽くなりました。
(Akiさんを見つめながら)あれはビックリしたよなぁ。
あきまっくす:
うん…。でも白鵬がヒロトくんに寄り添いたい、力になりたいというのはすごく伝わってきた。
あの瞬間は忘れられないですね。
いつか、新しい家族とー。

――さいごに、これから白鵬ちゃんと一緒にやってみたいことはありますか。
京口紘人:
そうですね、こればかりは”授かりもの”ではありますけど、いつか子どもが産まれて白鵬と仲良くしてくれたら嬉しいなぁと思います。
あとはこれからも白鵬中心の生活で、ずっと笑顔でいてくれたら幸せですね。健康にのびのび暮らしてほしいです。
あきまっくす:
ご縁があったら保護猫ちゃんを迎えられたらなぁと思っています。あとはもう、白鵬がのんびり楽しく過ごしてくれたらそれだけで嬉しいです。
白鵬が来てから、生活の中心が「自分たち」じゃなく「家族」になりました。
怒るより、褒めるより、ただ見守る。
一緒にいられる時間を、ちゃんと噛みしめたいですね。
*
【取材後記】

京口夫妻と白鵬に初めて出会ったのは、2024年の「フレブルLIVE」だった。
もちろんお二人のことは以前から存じ上げていた。
世界二階級王者のプロボクサーと、人気インフルエンサーのご夫婦。
しかも奥さまのあきまっくすさんは、「日本一バイブス高い嫁」として、某バラエティ番組でも”最高のうた”を披露していた。
※じつは私自身その番組が大好きで、“あのコーナー”のファンでもあった(笑)。
ひょんなきっかけでSNSを通じてやり取りをさせていただき、まず驚いたのはその文章の丁寧さ。
そして、どこまでも腰が低い。
実際にお会いすると、画面越しに見ていた印象とは少し違い、物腰が柔らかく、穏やか。そして、底抜けに明るくて仲良し。
「初めて会った気がしない」と感じたのを今でも覚えている。
お二人がどんなふうに出会い、どのような経緯でフレンチブルドッグの白鵬と暮らすようになったのか。
出会ってから約一年、どうしてもその“背景”を聞いてみたくなり、記念すべき第一回の取材としてオファーをさせていただいたのだった。
撮影中もインタビュー中も、終始明るくて、笑い声が絶えない。
そして、何より家族3人の“やさしい空気”が印象的だった。
知れば知るほど好きになる京口ファミリー。
これからも一ファンとして、そのリアルを見届けていきたい。
photo:Hiroaki Otake
location:喫茶アレッタ
*
京口紘人(きょうぐち ひろと)

1993年11月27日生まれ、大阪府出身。
プロボクサーとして2016年にデビューし、WBA世界ライトフライ級、ミニマム級の2階級制覇王者に輝く。
圧倒的な攻撃センスと戦術眼で知られ、引退まで世界のトップ戦線を走り続けた。
2025年7月に現役を引退し、現在はタレント活動やYouTubeなど、多方面で活躍中。
Instagram:@hiroto.kyoguchi_official
YouTube:京口紘人 Hiroto Kyoguchi
あきまっくす(若林亜希)

大阪府出身。インフルエンサー、クリエイター。
アスリートフードマイスター3級。
「日本一バイブス高い嫁」としてバラエティ番組で注目を集め、明るくポジティブなキャラクターとリアルな言葉で、多くのファンに支持されている。
TikTokフォロワー約16.5万人/Instagramフォロワー5.1万人(2025年11月1日現在)
※番組出演時は「若林亜希」名義
Instagram:@akimax1221
TikTok:@aki.w1221
▼白鵬をお迎えに行った時のYouTubeはこちら!
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